税務調査とそのこぼれ話

税務調査とそのこぼれ話【業種編】(38)

今回は、「ペットホテル業」です。
前回と同様ペットがらみですが、今回はペットを飼っている人達が長期旅行とかでペットを預けるペットホテルを取り上げます。前回のペットショップでも取り上げましたが、今や大変なペットブームで、ある新聞によりますと子供の数よりもペットの数の方が多いということのです。都心周辺にもそのようなペットホテルはありますが、最近発見した千葉県成田の例を取り上げます。そこは海外旅行に出かける人達用のペットホテルです。従ってペットホテルに駐車場が付いています。つまり、ペットと車で空港まで行って、ペットはそのまま預け自分たちは旅行に、また帰りは車とペットを一緒に手に入れそのまま自宅へという楽々パターンのものです。ペットホテルの料金は大型犬で4,725円/日、中型犬で3,675円/日、小型犬で3,150円/日、ウサギ・猫で2,625円/日です。従って10日間くらいの旅行ですと3万円~5万円になります。この中にはホテル代の他えさ代、1日2回の運動が含まれます。シャンプー・カット等は別料金です。一方、駐車場代は、車を空港ターミナルまで取りに来てまた持って来てもらえるタイプで、3日間5,000円、4日間6,000円、5日間7,000円、6日間以上8,000円と少し高めです。ただ6日間以上ですと何日間でも8,000円なのでリーズナブルです。
申込みは電話かネットで行い、決済は現金のみです。空港近くのインターチェンジを通過した時点で連絡し、ターミナルで車とペットの受け渡しをしますのでほとんど時間の無駄がありません。また帰国時にも手荷物検査終了時に連絡し、ターミナルで車とペットを受け取りますのでまた快適です。相当数の業者が、ほぼ同様の内容でネット上で予約を募集しておりかなり盛況のようです。
さて、ではこのようなペットホテル業はどのようにして調査するのでしょうか。
まず、売上ですが、以上のような現金決済が普通のケースは不正が発生し易いため、電話やネットからの予約簿がどの程度整備、保存されているか、また現金管理はどのようになされているか厳しくチェックします。餌の消費状況、従業員の人数からも予想預かり頭数を想定し、実数との差を丹念にチェックして行きます。特に、餌はペットの体重の一定%を与えるので、予想預かり頭数の計算には有効です。また、病気になったペット等は獣医に見せますので、これらのペットが予約簿に載っているか。あるいは実費請求するこれらの治療費が売上に計上されているかチェックします。更に駐車代のみを計上し、ペット代は除外するケースもあるかもしれません。いずれにしてもこのような疑いのあるケースでは、個別に利用者に反面調査を実施します。
次ぎに、経費の中ではペットの対応するための人件費が大きいウエイトを占めます。アルバイトの場合には就業時間や賃金率をごまかしたり、正社員の場合も退職した人間がいつまでも働いているように見せかけるにはよく使われる手口です。この場合にも不審なケースは個別に反面します。

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