税務調査とそのこぼれ話

税務調査とそのこぼれ話【業種編】(37)

今回は、「ペットショップ業」です。
ここ数年ペットブームが続いています。現代のようなストレスのかかる社会では、ペットに癒されることを望む人達が増えていることも事実でしょう。またマンションで小動物等が飼育できるようになったのも一要因でしょう。更に、ペットの種類も犬、猫、鳥はもとより、蛇やワニ、イグアナ、サソリ等かなり特殊な物にまで広がっています。これらの特殊な爬虫類が逃げて(大きくなって手に余り捨ててしまったケースもありようですが)テレビで大きく報道されることも珍しくなくなりました。
一般には、犬、猫の販売が中心で、これにゲージ(飼育に必要な天井のない檻)や食器類、餌等の付属品を販売しています。中には動物病院を近所に併設し、病気の時手当や狂犬病の注射までトータル的にケアをする所もあります。
料金的には犬の場合で一匹20万円から50万円位が中心です。某コマーシャルで有名になったチワワなどは一時期値段が跳ね上がったようですが、その時々の需給関係や人気の度合いによって値段が決まります。やはり血統の良い、希少価値の高い種を手に入れることが肝心になります。このような繁殖を手掛ける業者をブリーダーといいますが、彼らとのコネクションが重要な要素となります。もちろん自ら優秀なブリーダーのケースも良くあります。また、買い主は初めて動物を飼うような人達も多いため世話が大変で、シャンプーや毛のカット、旅行時のペットホテル代等を一括して委託するケースも目立ちます。従って、販売時だけでなくずっと長くメンテナンスの収入が見込めます。
さて、ではこのようなペットショップ業はどのようにして調査するのでしょうか。
まず、売上ですが、仕入れたペットの販売記録を当たります。特にブリーダーを兼ねている業者は、頭数や種類を誤魔化しやすい状況ですから、注意して確認してゆきます。販売先の個人に反面調査をするケースもあります。誰に売ったかは個別に記録に残っているからです。血統書には個別にペットの名前が記入されており、これを購入者がブリーダーから名義変更する形で譲渡を受ける訳です。車の名義変更と同じです。
次ぎに収入でチェックするのは、カットアンドシャンプー代とペットホテル代です。前者は都内で7,000円位、後者は一日4,000円位です。いずれも基本は現金決済ですから、注文台帳や領収書控え等から常連客を把握し、やはり個別に反面するとか、現況時に簿外現金や簿外預金等の把握、簿外売上メモ等の発見に努めることになります。また、ゲージやベッド、食器類や餌なども軽く数万円になりますので、ペットを初めて買った顧客に売上がないのは要確認となります。
一方、シャンプーや散歩のために相当の従業員を雇用する必要があります。従って、辞めた従業員を引き続き雇用したことにするとか、アルバイト人員を水増しするとかは良くある手口です。収入に比べて人件費が多い場合には、個別に反面して雇用の有無を確認します。また、チェーン展開している店が多いので、他店の売上等反映しているのか確認します。

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石川税務会計事務所

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